iPhone、Appleが嫌いな人々

iPhoneを使いだしてかれこれ3ヶ月になる。OSも2.1にバージョンアップして個人的には満足と言うか、もうもとの生活には戻れない感じである。それでも世の中では相変わらずiPhone嫌いな人たちが盛んにiPhoneは売れてないしもう駄目だ的なキャンペーンを盛んにやっている。でもね、3ヶ月や半年で物事を見るような近視眼的なことで騒ぐのは馬鹿らしいと思うし、そういう見方しか出来なかったからこれまで日本の携帯電話はガラパゴスって言われるような状態になったんじゃないのか。とにかく、webにそういった記事を書いている人たちも、それに反発してる人たちも、ちょっと世の中一般からは2シグマくらい外れてIT系の人たちなんじゃないかと思う。

iPhoneを使っていない友人にiPhoneを見せると、大抵ちょっと感心して、次にフリックやピンチインのようなマルチタッチの画面に強く興味を示し(なので、案外「写真」が評判が良かったりする)、最後に「でもやっぱり難しそう」という結論に達する場合が多いように思う。お財布ケータイは使えないのかとか、絵文字が何たらみたいなことを言う人は皆無と言っても良い。普通の人がiPhoneを買わない一番に理由は「難しそう」なんだと思う。そう、これまでに自分が見たことのないカテゴリーのガジェットを見せられて、最初の反応は素直にこれなんだと思う。じゃあiPodだって同じじゃないかと思うわけだが、やっぱり音楽が聴けなくても日々の生活には困らないけど、携帯が使えないとその日も暮れない。だからiPodは面白そうだけど買ってみて難しかったら、ゆっくり使えるようになれば良いやという余裕があるのだと思うが、携帯をiPhoneに機種変して、難しくて使えなかったらその日から困るんじゃないかと思ってしまうのが、一番の心理的障壁なんじゃなかろうか。
だから、ぼくはAppleがiPodTouchを出しているのは、正しいことだと思う。心配な人はiPodで練習してねってことだ。
ぼくにつられてかどうか分からないが、あんまりパソコンに詳しくない友人でiPhoneを買った人がいる。彼はiPhoneOS2.1が出てから1週間後にぼくに会うまでアップデートがあったことは知らなかった。まあそんな感じが普通なんだろう。そういう意味では無線LANベースステーションを自分で買ってセットアップ出来るくらいのスキルがないとiPhoneは厳しいところがあるし、世の中全体でそれが当たり前になるにはもう少し時間がかかるんだろうと思う。それは技術が進歩したり安くなったりして、もっと簡単にネットワークに常時接続出来るようになるということも含めてね。iPhoneを今から使い始めている人は、そのくらいのタイムスパンでものを見ているんだと思う。秋冬の携帯の新機種がみたいなレベルとは議論が噛み合ないのも当然なのだ。

さて、そういう意味では日本ではまだiPhoneは「キャズムを超えていない」ってことなんだろう。だけど、日本で超えるか超えないかに関わらず、アメリカでは1年以上前からiPhoneが売られていて、iPhone3Gは初代より良く売れていることを考えても、もうキャズムは超えつつあるんじゃないのかな。そう、日本で売れるかどうか心配するのはソフトバンクやアップルの仕事であって、ぼくらは彼らが売るのをやめない限り、どっちでも良いと言えばどっちでも良いわけなのだ。

今後この世界がiPhoneを軸に動いてゆくのか、SymbianAndroidなのかは分からないが、いわゆるケータイの時代はほどなく終焉を迎えるんじゃないかと思うんだなぁ。iPhone嫌いの人には気の毒だけどね。