NanoDrop

とある業界では割合メジャーだと思うのだが、NanoDropという吸光光度計がある。ぼくもラボで使っているのだが、なかなかいい具合の器械である。ところでこの器械、PCに繋げて使うので、Windowsの走るノートパソコンに繋いで使っているのだが、ふと気がついたらMacOSX版のコントローラーのアプリケーションが配布されていた。と言うわけで早速ダウンロードして試してみたらちゃんと動く。ユーザーインターフェースWindows版とほぼ同じなので戸惑うこともないし、データの移行もすんなり出来た。
ま、こんな話はここに書いても興味を持って読む人はほとんどいないと思うけれども、こういった比較的限られた理科学機器のコントローラーとしてのパソコンのOSとしてMacOSXが選ばれたことは、なかなか興味深いことだと思う。ダウンロードサイトには

Due to a considerable number of requests from the Mac user community, we have developed our first Mac software version for the ND-1000 (V3.5). This software is functionally equivalent to pc version 3.3.0. It has been field tested by beta users with good success, but has not gone through rigorous testing by NanoDrop. It is NanoDrop's intent to support this software to the best of our ability. However, please note that incompatibilties may be encountered that we will not be able to support.

と書かれている。無視できない数のMacユーザーコミュニティーからのリクエストがあったのでMac版のソフトを開発しましたってことらしい。そう、ここ5年から10年近く、この種のコントローラーとしてのパソコンはWindowsが主流になってMacは見かけなくなって久しい。特にMacOS9まではきちんとしたマルチタスクではなかったので、リアルタイムでのデータ取得が必要な機器にはあまり向かないと言った部分があったのかも知れない。けれども、例えば分子生物学の分野ではABIのシークエンサーをはじめとして多くの機器がMacで動いていた時期があり、そのことがこの分野でのMacの普及に大きな力になっていた部分もあると思う。それを思うと、アップルにはそろそろこういった用途としてのMacのサポートも真剣に考えてみても良いような気がする。ま、Jobsはそんなことしないとは思うけど。ともあれ、特に北米で科学分野におけるMacのユーザーがじわっと増えている証拠のように思われる。

ちなみにMac版のNanoDropコントローラーのダウンロードは以下のURLから。
http://www.nanodrop.com/support-nd-1000-mac.html

そうそう、日本の代理店の方もこういった情報はちゃんと流して欲しいものですね。