WWDC2007その後

あっという間にWWDC2007の基調講演から1週間余が経った。
特に新しい製品の発表もなく、Leopardの新機能も手堅いものと言うか、派手なTimeMachineなどは去年既に発表済みだし、CoverFlowがFinderに備わったと言っても、見た目にはiTunesでお馴染みなので、さほど強いインパクトはない印象だった。ただ、Leopardで使い勝手はかなり向上しそうだし、ユーザーインターフェースは着実に進化していると思う。Windows版のSafariは意外ではあったが、開発者に向けてiPhoneのアプリケーションはAjaxweb2.0でという何とも微妙なメッセージと併せて考えると、やはりアップルがiPhoneに強くコミットメントしていることを印象づける形になった。日本では当分iPhoneが発売になることはなさそうなので、ちょっと空白期間がやって来たような感じがするが、アメリカでのiPhoneへの期待の高さを考えると、アップルは全力でマーケティングをかけているのだと思う。
iPhoneについては、iPodのようなアップルがコントロールするクローズドなものになるのか、逆にPCに比べてひどくクローズドで使いにくい携帯の世界がOS Xを載せたiPhoneによってこじ開けられるということになるのか、ぼくにはいまだに良く分からない。携帯電話やこれまでのスマートフォンiPhoneはちょうどMS-DOSMacintoshくらいの違いとインパクトがあるに違いないと思う。だから、初動はアップルにとってかなりいい具合になるのではないかと思うのだが、問題はそのあと、どちらの方向に向かってゆくのかということだ。
昨日だか、ドコモがiPhoneの獲得に前向きのコメントをしたと言うニュースが流れていた。以前、auも同じようなコメントをしていたと思う。でも本命はソフトバンクじゃないかっていう意見も根強い。ぼくは携帯のことは良く分からないけれど、アップルにとっては出来るだけすべてをアップル側がコントロールできるようにしたい筈だ。だから先に「欲しい」と言ってしまった会社はそう言う意味では「負け」ている(アップルの条件を呑まざるを得なくなる)と思う。とすると、現状一番シェアが大きく、ナンバーポータビリティーでジリ貧で苦しんでいて、既に「負け」を認めたドコモが一番足下を見られそうな気がする。案外ソフトバンクは当て馬なんじゃないだろうか。
ま、何れにせよ、来年の出来るだけ早い時期に日本でもiPhoneが使えるようになって欲しいものである。キャリアがどこになってもぼくはiPhoneに乗り換える。