国民投票法

国民投票法が成立した。良いことだと思う。言い訳するわけではないが、ぼくは時分がどちらかと言えばリベラルな立場なのだと思っている。だが、誤った憲法改正が行われるくらいだったら、それを防ぐために手続き法も成立させない方が良いと言った主張は、いい加減止めて欲しいと思っていた。憲法改正が発議されて、もしそれが正しくないものだと思ったなら、正々堂々と否決すれば良いだけのことだ。逆に国民が投票でそれを是とするならば、いくら正しくないと思った憲法でも、改正するしかないのだと思う。現行憲法も、一度くらい国民全体でのOKをとったって良いんじゃないかと思う。そうすれば、アメリカに押し付けられたからけしからんとか、「美しくない」からよくないとか、そういった低次元の議論は無くなると思う。安倍首相の望んでいる憲法改正は必ずしも自分の望むものと同じではないと思うが、議論をして是非を問うことで、憲法の正統性をもう少し実感してみても良のではなかろうか。
正義のためには手続きはどうでも良いと言った考え方は、いい加減止めた方が良い。また、ありもしない軍国主義への回帰を目指す勢力がいると言ったような、まるで「ユダヤの陰謀」みたいなことを言うのもおしまいにしたらどうだろう。中国や韓国の人が言うならまだ分からないでもないが、日本の政治家が真面目な顔をしてそう言うことを言うのはどんなものだろう。靖国神社を大切にしている人たちだって、別に軍国主義を目指しているわけじゃなく、ほとんどの人は戦死した自分の家族の死が「無駄なもの」「間違ったもの」ではなかったと思いたいだけのことなのだ。
今更、日本で市民革命を起こすことはないけれど、一度自分たちの国のあり方をきちんと議論して、今の憲法のままで行くならそれで良いし、手を知れるべきところがあるなら入れれば良い。とにかく皆で投票して承認するという手続きを、一度踏んでみるべきじゃないだろうか。