マイクロソフトは死んだ

ニーチェの「神は死んだ」ではないが、グレアムという人の書いた「マイクロソフトは死んだ」を読んで、非常に共感を覚えた。そう、多分彼が書いているようにPCのデスクトップの意味が薄れたと言うか、PCのOSの重要性が失われたのは間違いないのだろう。かつてwebが急激に立ち上がった際にマイクロソフトが危機感を抱いてNetscapeを叩き潰したわけだが、気がつくとやはりGoogleに取って代わられたというところなのだろう。そう言う意味ではマイクロソフトは長生きしたのかも知れない。
グレアムはまた

最後にトドメを刺したのは、こともあろうに Apple だった。OS X のおかげで、Apple はテクノロジーの世界では極めて珍しい形で死から蘇った。Apple の勝利があまりに完璧なため、今では Windows の走るコンピュータに出くわすと驚くくらいだ。

と言う。しかし、Macintosh SEの頃からのマックユーザであるぼくにとって、MacOSは一度死んだのだと思う。OS9ジョブズは棺桶に入れていたし。
ジョブズが戻る前のAppleは事実上死んでいたし、同じ頃NeXTも死んでいた。死んだはずのNeXTとAppleが一つになって、一体どうしてAppleは蘇ったのだろう。NeXTSTEP/MacOSXは優れたOSだということは認める。でもNeXTSTEPは今にも蒸発しそうだったのではなかったのか?
とどめを刺したというAppleとはiPodのことなのか。
いや、まあいい。確かに最近Geekと呼ばれる人でMacを使う人が増えた気がする。自分の周囲でも確実に増えている。生物学の分野では比較的保守的な人がWindowsを使っている印象があるし、バイオインフォマティックス系の人でMacを使う人がかなり多くなってきている。何れにせよ、世の中全体で見ればコンピュータをクリティカルな意味で仕事に使う人の数は今も昔もごく一握りなのだし、ぼくの見ているところなどごく狭い世界の話だ。
それにしても、ジョブズもPCも世界全体もずいぶんと遠回りをして現在を迎えたものである。