写真

TaKo2006-01-21

東京は久し振りにかなり雪が降っている。夕方意味も無くカメラを持って雪の中を散歩してきた。

大学生の頃までは結構写真も撮っていたのだが、デジカメが出始めの頃、新し物好きが祟ってデジカメを次々買ってしまい、メモ的な写真を撮る機会は増えた反面、写真を撮る楽しさが薄れてしまってつまらなくなっていた気がした。
特に意味はないのだがぼくはずっと一眼レフはニコンと決めていたので(まあ贔屓ってやつだ)、D70という一眼レフデジカメが出た時はかなり欲しかった。そう、画期的に安くなったから。けれども、ちょうどその頃目を悪くしたこともあって、D70の狭いファインダーが我慢出来ず、結局買わなかった。言うまでもないことだが、一眼レフというのは結構無理をして写真に写るそのままがファインダーに見えるようにしたカメラなわけだ。だってレンズとフィルム(というかデジカメの場合は受光素子と言うんだろうけど)に鏡を置いてファインダーに見せておいて、写真を撮る時だけそれを跳ね上げるわけだから、かなりご苦労様な仕掛けだと思う。そうまでしているのにこのファインダーが小さいのはどうもいただけない。まあ色々事情は分かるのだが、だからといって買う気になれなかったのだ。そうこうするうちに昨年の末にD200が発売になった。で、とにかくニコンのデジタル一眼の中ではファインダー倍率が大きくなったと言うことで、つい発売直後に買ってきた。で、これが撮ってて気持ちいい。一眼レフカメラのファインダーを覗いて得られるある種の没入感というか写真を撮ろうと「目で考える感覚」や、シャッターを切ることで「世界から映像を切り取る感覚」とでも言うような写真を撮る快感がきちんと得られ、その上デジカメとしてのメリットも十分に得られる喜ばしさ。フィルムのカメラでは撮影の途中でフィルムの感度を変えることは出来ないわけだが、デジタルなら絞りやシャッタースピードと全く同じレベルで感度を変更することが出来る。フィルムと違っていくら撮ってもすぐに見られるしお金がかかるわけじゃないし、実に楽しいのだ。ま、パソコンのハードディスクの中にゴミの山を築いているだけと言う話もあるのだけれど。

新しい技術が導入される時、必ず何かが失われる。けれども新しく得られるものも沢山ある。そういう意味でカメラはここで一つ新しいフェーズに入ったのだなと実感している。
ニコンフィルムカメラやマニュアルフォーカスのレンズ、引き延ばし機のレンズなどを大幅に整理すると発表した。相前後してコニカミノルタはカメラから撤退するという発表をしたようだ。銀塩写真がどんどんしぼんでゆくのは寂しい限りだけれど、ぼくは今、デジタルカメラの新しい可能性のほうに大きなインパクトを感じている。