JST廃止って....

科学技術振興機構JST)の廃止が検討されているという。産経以外に記事が見つけられなかったので、まずその記事のリンクを張っておく。

いつまで記事が読めるか分からないので、主要部分を引用。

政府は26日、独立行政法人(独法)を整理合理化する一環として、科学技術振興機構(所管・文部科学省)、労働政策研究・研修機構厚生労働省)を廃止し、日本貿易保険経済産業省)や造幣局財務省)、国立印刷局(同)を民営化する検討に入った。

JSTは旧科学技術庁が所管していたので、科技庁が文部省と統合されて文部科学省になった時点でNGだったのかもしれないが、JSTの支援している基礎科学への研究費の存在感は非常に大きい。JSTの研究費で行われている研究の成果は日本の中でトップクラスのものが沢山ある。JSTの出す研究費が今いきなりゼロになったら、日本の基礎科学の水準は大きく下がると思う。もちろん無駄もあるかもしれないし、改善の点は沢山あるのかもしれないが、十分な検討が行われた上で出て来たものとは思えない。基礎科学には大きな利権が絡んでいないし、廃止しやすいだけなんじゃないかと勘ぐってしまう。
産経の記事を読むと、何故廃止が検討されているかの説明が不思議だ。

廃止対象とした2法人は、国からの財政支援が予算全体の9割を超えているにもかかわらず、給与水準が国家公務員よりも高く「存続させる意味がない」(政府関係者)と指摘されていた。

Technoratiで検索してみると、やはりこの部分を指摘する意見が多い。ぼくもこれは全く説明になってないと思う。可能な限り好意的に解釈すれば「国からお金を出すのに、出先の給料が高いのは非効率だから、それなら国が直接予算を執行した方が良い」ってことだろうか。だけど、JSTを廃止したらそれまで出していた研究費を文科省が直接出すようになるというよりは、結局出さなくなるんじゃなかろうか。ともあれ、注目して見てゆこうと思う。

ちなみに、JSTの支援で出た研究成果は以下のリンクから見ることができる。